医療保険は、病気やケガで入院・手術をした際の経済的負担を軽減するための保険です。日本には公的医療保険(健康保険)があり、医療費の自己負担は原則3割ですが、入院が長引いた場合や先進医療を受ける場合には自己負担が大きくなることがあります。
本記事では、医療保険を選ぶ際の基本的な知識と比較ポイント、見直しのタイミングについて詳しく解説します。
医療保険の基本的な仕組み
民間の医療保険は、入院や手術をした際に保険金が支払われる仕組みです。主な給付内容には以下のようなものがあります。
- 入院給付金:入院1日あたり5,000円〜10,000円が一般的。入院日数に応じて支給
- 手術給付金:手術を受けた際に一時金として支給。入院給付金日額の10〜40倍が目安
- 通院給付金:退院後の通院に対して支給。付帯していないプランも多い
- 先進医療特約:公的保険が適用されない先進医療の技術料を保障。がん治療の陽子線治療(300万円前後)等が対象
公的医療保険でカバーされる範囲
民間の医療保険を検討する前に、まず公的医療保険のカバー範囲を理解しておくことが重要です。
- 高額療養費制度:月間の医療費自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度。一般的な所得(年収370万〜770万円)の方の場合、月の上限は約8万円程度
- 傷病手当金:会社員が病気やケガで働けない期間、給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される(国民健康保険にはない制度)
つまり、会社員の方は公的制度だけでもかなりの保障があります。民間の医療保険は、これらでカバーしきれない部分を補完する位置づけと考えるのが合理的です。
選び方の5つのポイント
1. 保険期間(定期型 vs 終身型)
- 定期型:10年・20年など一定期間の保障。保険料は安いが更新時に上がる。若い時期の一時的な保障に適している
- 終身型:一生涯の保障。保険料は定期型より高いが、一生変わらない。長期的な安心を求める方向け
2. 入院給付金の日額と支払い限度日数
入院給付金の日額は5,000円か10,000円が一般的です。差額ベッド代(個室料金)や食事代、家族の交通費などを考慮すると、日額5,000円でも最低限のカバーは可能です。支払い限度日数は60日型が主流ですが、長期入院に備えるなら120日型や無制限型もあります。
3. 特約の取捨選択
- 先進医療特約:月額100円程度の追加でつけられるため、コスパが良い。おすすめ度が高い
- がん特約:がん診断時に一時金が支給される。がん保険を別途検討するか、特約で付帯するか判断
- 三大疾病特約:がん・心疾患・脳血管疾患の際に一時金が支給。入院が長期化しやすい疾患への備え
- 女性疾病特約:女性特有の疾患(乳がん、子宮筋腫等)で入院給付金が上乗せされる
4. 保険料と払込期間
保険料の払込方法には「終身払い」と「短期払い(60歳払済・65歳払済等)」があります。終身払いは月々の保険料が安い反面、生涯の総払込額は多くなります。短期払いは月々の負担は大きいですが、払込完了後は保険料の負担がなくなります。
5. 保険会社の信頼性
長期間にわたって保障を受ける医療保険では、保険会社の経営安定性も重要なポイントです。ソルベンシー・マージン比率(支払余力)や格付けを確認しておくとよいでしょう。
見直しのタイミング
医療保険は、ライフステージの変化に合わせて見直しを検討しましょう。
- 結婚・出産時:家族が増えることで必要な保障額が変わる
- 住宅購入時:住宅ローンに団信(団体信用生命保険)が付帯する場合、死亡保障の見直しが可能
- 転職・独立時:会社員から自営業になると傷病手当金がなくなるため、保障の上乗せを検討
- 子供の独立後:必要な保障額が減るため、保険のスリム化を検討
- 更新時:定期型の更新時は保険料が上がるため、終身型への切り替えや他社への乗り換えを検討
まとめ
医療保険は、公的医療保険でカバーしきれない部分を補完するための保険です。まずは高額療養費制度や傷病手当金など公的制度の内容を理解した上で、必要な保障を見極めましょう。保険料だけでなく、保障内容・特約・払込期間を総合的に比較し、定期的な見直しを行うことが、無駄のない保険選びにつながります。複数社の見積もりを無料で比較できるサービスもあるので、活用してみてください。

